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米国西海岸の反戦運動の特徴

 2001年9月11日の同時多発テロに反応した米国の市民団体が、ブッシュ政権の展開する報復戦争に、反対活動を始めています。一口に反戦運動といっても、切り口は様々で、グループによりその主張、行動は異なります。
 10月に渡米してから、アメリカ本土の反戦運動について、特徴的だと感じた点についてレポートします。2002年に入って、感じられる反戦運動の変質(人々のとらえかたなど)についても、記述しました。


94%が報復支持? アメリカの報復攻撃を受けた世論調査では、国民の94%が攻撃を「支持」と回答しました。
しかしアメリカは広い。西海岸では、街中のポスター、地方新聞の論調を見ても、報復「不支持」の世論を感じます。
ここサンフランシスコの人も、米国中部、東部の世論は別物だと言います。
西海岸のほうが「特殊」かもしれませんが、「94%」は調査の誘導的な設問+メディア操作のなせる数字だと考えてよさそうです。
反戦運動/平和運動?

世界貿易センタービル・テロ攻撃の犠牲者に配慮して、正面切って「反戦」を主張することにためらいを感じる人々も多いようです。
そのために、左翼団体でない限り、「反戦」(Anti-War)という言葉を使いません。‘Not War'「戦争が答えではない」、`No More Innocent Victims'(無実の犠牲者をこれ以上出すな)、`Justice Not Vengeance'(報復ではなく正義を)、また単に`Peace'(平和を)といったスローガンが使われています。

2002年に入り、現在も空爆が停止されていないにもかかわらず、反戦の声のトーンダウンが始まっています。「戦争」自体が日常化していることに、米国民が慣れつつあると思われます。

多民族コミュニティを背景とした運動 サンフランシスコが移民を多く受け入れてきた歴史を背景に、市民団体が多民族コミュニティを基盤/対象として、運動を展開しています。
ひとつはアラブ系市民、イスラム教徒への嫌がらせ、暴力事件(Hate Crimeと呼ばれます)を受けた、マイノリティ(少数者)の人権擁護活動です。直接の反戦運動ではありませんが、コミュニティの平和が世界に広がれば、戦争は無くなる、という地道な普遍性を求める点で、意義を感じます。(例1)
もうひとつは、そもそもラディカル(革新的)な傾向のある移民の青年団体などが、積極的に反戦運動を展開している点です。反戦集会では、多くの民族系人権団体を見ることができます。(例2)
市民的自由を守る戦い

「反戦」以上に声高に叫ばれるのが、アメリカの報道管制、メディア操作に反対する`Civil Liberty'(市民的自由)の立場です。
しかしながら、アメリカのテロ対策法が10月26日に議会を通過してしまい、政府の盗聴、外国人監視が進んでしまいます。

2002年に入り、空港スクリーナー(荷物点検担当者)の移民排除アラブ系労働者の解雇などがあり、こうした動きに抗議することが反戦運動の中心となってきています。反戦運動自体が、マイノリティをベースにした視点、雇用・市民権などの国内問題を中心に据えており(以前はアメリカの外交政策が問題だ、と国際色が強かった)、私の個人的な意見ですが、白人中流階級などを動員しえていなくなっているのではないかと思います。

地元議員への請願活動など 日本でも、首相宛の署名運動は盛んですが、サンフランシスコでは大統領のみならず、カリフォルニア州選出の議員に対しても、請願が行われています。自分の地域代表へのプレッシャーは当然と言うわけです。
アメリカ議会で唯一人、報復攻撃に反対したとされるバーバラ・リー議員に「感謝する会」などというイベントもありました。日本の社民党の辻元議員に感謝した人、いませんね。

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