2001年11月10日 グローバライズ・ジャスティス―ノット・ウォー(地球規模の正義を、戦争ではなく)反WTOマーチ


2001年11月10日、サンフランシスコ対岸のRichmond/リッチモンドにて、Globalizethis.orgというグループ主催のWTO会議(カタール)及び同地区に立地するCheveron/シェブロン社(現シェブロン・テキサコ)の精製所に対するデモ行進が催されました。デモ行進は、前日9日のJustinHermanで開かれた集会に引き続き行われるイベントでした。直接的には反戦デモではありませんが、自由貿易の推進/ブッシュ政権と石油産業の密接な関係/アフガン報復戦争は切り離せないという視点のもと、標題のテーマが設定されているのだと思います。
主催団体:Globalizethis.org
http://www.globalizethis.org
主催団体のチラシから抜粋します。
「(略)ブッシュ政権は9月11日の惨劇を活用して、WTO/自由貿易こそが国際安全保障にとって大事なのだと言う。しかし企業のグローバリゼーションと、自由貿易政策の推進機関は、地球の不平等と貧困を悪化させ、民主主義を後退させ、危険をますます増幅させている。(略)我々はWTOと経済のグローバリゼーションに代替案を提案する。」
これ以外にも、シェブロン社への抗議のためにいくつかの団体が名を連ねています。
・プロジェクト・アンダーグラウンド
http://www.moles.org/
・グリーンアクション
http://www.greenaction.org
正午に地下鉄リッチモンド駅の広場に集合すると、まず主催者側から、この日カタールで始まっているWTO会議にて、またブッシュ政権が推進している自由貿易がいかに、環境、人権、労働、生活に悪影響を及ぼすか、象徴的に寸劇が行われました。ブッシュ氏の大きな人形と、いかにも悪そうな自由貿易の人形が結婚式をあげるブラックユーモアのシーンもあり、出発前の参加者を盛り上げました。
この後、様々なパーカッションと2人のシンガー(歌手)による音楽/シュプレヒコールに先導されて、500〜600人のデモ隊はシェブロン精製所へ向けてリッチモンド駅を出発しました。さまざまなプラカード、反グローバリゼーションの油絵!が用意されており、私もひとつ大きな油絵を肩にかけて出発しました。アジア人の組織あり、イギリスからの旅行者あり、150km離れた町からやってきた人あり、デモではいろいろな人に会えます。ノリのいいシュプレヒコールは、以前に何度か聞いたことのあるものもありましたが、10種類くらい用意されていて、2時間近くの長い行進も全く飽きませんでした。以下その例です。
・One People! One Earth! (ひとつしかない地球も、ひとりずつしかいない人間もともに大事だ、という意味でしょう)
・Who keep the oil? / Chevron Does!(掛け合いで行われます。石油を支配するのは?/シェブロンだ!)
・Justice! Peace! Respect! (もうひとつあった気がしますが。正義!平和!尊厳!)
・Stop Racism! Bush Out Middle East!(差別をやめろ!ブッシュは中東から出て行け!)
大分天気が悪くなってきたところで、シェブロン社に到着。土曜なので余り人気はありませんでしたが、ここで何人かのスピーカーが出て、WTO問題、シェブロンの環境問題などについて、話がありました。話の途中にも、デモ隊は、シェブロン社の正面ゲートに、横断幕を貼りつけていきます。シェブロン社はアフリカのニジェール・デルタ地域で、軍を雇って環境・人権活動家を殺害した事件にかかわったことが知られていますが(11月10日は、ケン・サロ・ウイワを含む活動家が殺害された日でもあると言うことでした。)、ここリッチモンドの精製所でも、安全レベルの600倍のダイオキシンを排出しているとされ、地域住民に健康被害が出ているということです。
ほぼ、シェブロン社への抗議集会が終ったあたりで、おもむろにパトカーがやってきて、精製所前の橋にスプレー落書き(シェブロン社に対する抗議)をしていたデモ参加者を逮捕されると言う騒動になりました。デモ参加者が抗議して、パトカー周囲で座り込みに入り、パトカーはパンクしているは、抗議する参加者をまた逮捕するはで、だんだん騒ぎが大きくなりました。
劇、絵画、歌手などさまざまな芸術家を巻きこみ、かなりうまく組織されたデモだったと感じます。それ以上に、WTO・自由貿易政策を、地域に立地するの世界的企業シェブロン社への抗議という形で具体化させた戦略によって、デモをカタール以外で行う意義を与えたことはなかなか示唆に富むものでした。再度ビラから引用します。「(略)シェブロン・テキサコ社は地球規模の貿易体制から恩恵を受ける企業の代表であり、リッチモンド精製所は(こうした企業から)影響を受ける地域の代表である。」
WTOデモ/寸劇 WTOデモ/行進
駅前で行われた寸劇。ブッシュと自由貿易の結婚を
皮肉る内容。ユーモラスかつスピリチュアルでこうした
劇をプロデュースする才能に感嘆。
シェブロン社へ向かうデモ行進。「地球には、WTOでは
なく、君たちが必要だ」、「毒物汚染ではなく、地球規模の
正義を」などのプラカードが見える。
WTOデモ/シェブロン社 WTOデモ/警察
シェブロン社精製所前で行われた抗議集会。 警察によるデモ参加者の逮捕。「釈放しろ」、「恥を知れ」
などの怒号が渦巻いた。この日は7人が連行された。

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